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2014
05.24

22回目 金賞酒

Category: 日本酒
今回でブログは一区切りにして、めっちゃ感じることあったら書くことにするわ。
日々の様子はFacebookでということで。

IMG_0500-3.jpg
(蔵の洗い場からの景色・・・田植えが完了)



全国新酒鑑評会については一回書いたけど、しつこく書くわ。
鑑評会に出す酒は、酒米の選択、精米歩合、麹づくり、酵母の選択、仕込み配合、醪の温度管理、アルコールの添加量と時、醪を搾るタイミング、搾り方、火入れの温度や時間、提出するまでの管理、提出方法(宅急便か自分で持ち込むかなど)、ありとあらゆるその蔵で出来るすべてのことをやり尽くして完成させるんよ。

なんでそこまでするかはそれぞれやけど、見栄とプライド、名誉、販促に繋げたいなんかの気持ちかな。

金賞になる酒のタイプは毎年微妙に変わってきてて、YK-35が絶対ってされてた時代は、協会9号酵母を使って酢酸イソアミルの、バナナの感じのさわやかで落ち着いた香りが良いとされてたし、最近は、カプロン酸エチルを出す酵母を使って、りんごや洋梨のような華やかな香が評価されるようになってるみたい。

せやから言うて、「ヤコマン」入れてた時代みたいに、「香りさえ出てたらええ」というもんでなしに、味ももちろん雑味なく、バランスも大切やね。

この頃は、研究も進んで、みんなマニュアルに沿った優等生ばっかりで、どうやって差をつけるのか難しいのとちがうかなあ。

前にも書いたけどもう鑑評会の役割は終わってるのと違うんかなあ。

今まで、何回も金賞取ってた蔵でも、もっと個性のある酒造りをめざして、あえて出品せ~へん蔵が増えてきたようやね。

そらそうやと思うわ。
ほんまに、ちゃんと評価してくれるかどうかわからん頭の固い他人に見てもらうより、
その分のお金と労力をほんまに売りたい酒に振り向けるのは当然やと思う。


それと、鑑評会は明らかに弊害が出てきてると思う。飲み手として言わしてもらうわ。

二つあんねん。

以前に酒関係者で、全国の金賞受賞酒を集めてきき酒会をしたことがあってん。

全部一般市場からちゃんと買い上げてんで。

そしたら、思ったほどのことないねん。秋にやってんけど、春に金賞酒の一般公開で飲んだときと全然違うててん。

理由は聞いたことでちょっと専門的になりすぎるけど、

カプロン酸エチルはカプロン酸とアルコールが化学的に反応してできる物質やねんね。

せやから、カプロン酸エチルをぎょうさん造るためには、カプロン酸がようけいるわけや。

せやけど、カプロン酸そのものはかなり問題のある物質で、含まれる量が多なると、「油臭、紙臭、、カビ臭など不快な香を出すし、渋味、苦味の原因となる」らしい。

搾って間のない新酒のうちは、こんな欠点はカプロン酸エチルの華やかな香でマスキングされてるけど、時間が経つと不快な香りが目立つようになるらしい。

ようするに、カプロン酸エチルがぷんぷん香る金賞受賞酒は、審査を受けるときがその酒のピークで、商品となって消費者の口に入るときは、どうなん?ってなるということらしい。おかしいやんな~。

そんなこと、感じたことない?
金賞酒飲んで「いまいち」って言いたくても、みんなが「さすがや」とか言うから黙っといたこと。


二つ目は、前にも書いたけど、アル添の大吟醸が純米大吟醸より金賞多いことやねん。

純米で金賞取るのは至難の業で10%以下違うかなあ。純米で金賞取ってる蔵はすごいと思うわ。

それには理由があるねん。

アル添せんとどうしても味が濃く成り、とくに新酒の間は口当たりが荒なるし、アル添したほうが、香りがよくなるねんなこれが。

醪にアルコールを添加したら、酸、アミノ酸などの成分が薄まって、結果として、すっきりした淡麗タイプの口当たりのいいお酒になるわな。

ここまではわかりやすいねけど、なんでアル添したら香りが良うなるかって難しいやろ。

普通に考えたら、アル添したら香りも薄まると思うわなあ。

それが逆やねん。よう「逆に」って何でもつける人いてるけど、この場合はほんまに逆やねん。

アル添で、酒の中に含まれる香成分の量はむしろ増えるいうねん。

吟醸酒に含まれる香成分の主なものは、酢酸イソアミル、カプロン酸エチルやってよう書いてあるやろ。

これらの成分はエチルアルコールには無限に溶けるけど、水にはほとんど溶けへんねん。

ということは、醪を搾る前のアルコール度数が高いほど、これらの成分がアルコールに溶ける量が多くなるということになるわな。わかる?

この搾るっていうことが問題で、香りも大方酒粕に含まれて、酒には残らんことが多いねん。醪の時のすごい香りが、搾ったら「あ~あ~」ってなることはようある。
ほんま、がっかりするで~。蔵人は多かれ少なかれ経験してるはずや。

特に、カプロン酸エチルは実に85%が酒粕に吸着されてしまうというデーターもある。

せやから、搾る前にちょっとでもアルコール度数を上げて酒に香りを残したいと考えたら、アル添するわなあ。子供でもわかる理屈やろ。
金賞の確率が確実に上がるんやから。

世の中が「純米酒」に注目してる時代に、一番権威があるとされてる鑑評会の審査で、アルコール添加酒で競われ、純米で勝負しようとする気にさせへんような評価基準はおかしいのと違う?

まあ、偉い人と立派な酒屋が良しとするんやからいいんかな。


飲み手としては、純米に宗教みたいにこだわらんでも、旨いと思ったらどっちでもええねんけど、個性ある酒求めるんやったら、これからは純米の方がおもしろいかもしれんよ~。


平成25酒造年度 全国新酒鑑評会 入賞酒一覧表はこちら

なんやかんやいうても、入賞するのはたいへんなことやし、すごい酒であることは間違いない事実やね。
機会があったら飲んでみたいと思うわなあ?




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2014
05.20

番外 facebook

Category: BAR
フェイスブック始めたで~。






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2014
05.15

21回目 火落ち菌

Category: 日本酒
fune.jpg
うちの蔵の酒槽(ふね)の様子



一般の人はあまり気にしてないことに、醸造酒は雑菌におかされやすいということがあるねん。

蒸留酒なんかは、アルコール度数が高いから雑菌は繁殖せんけど、特に日本酒は気つけなあかんねん。

自分で製造から瓶詰め出荷管理までしてたときは、雑菌管理が一番の仕事やったし、気つこたわ。

タンク洗いから、道具洗い、ビン洗いまで、造り酒屋の仕事のほとんどは洗い仕事やね。

せやけど、なんぼ気をつけても雑菌は入り込むねんな。

このお酒の好きな菌を、乳酸菌の一種で「火落ち菌」と呼んでる。

この菌が増殖すると、お酒が濁ったり、酸が増えたりするねん。これを「火落ち」言うてる。体に悪いかどうかはようわからんねけど。

増殖を抑えるには、低温に保つか、死滅させるか、完全に取り除くしかあらへん。まあ、高度数のアルコール中では生きられへんけど、日本酒の市販酒の一般的なアルコール度数15度程度では平気やねん。

そこで、死滅させるには、「火入れ」っていう作業をするわけやね。

低温殺菌法(パスツリゼーション)っていうやつやね。18世紀に、フランスの細菌学者パスツールがぶどう酒の腐敗を防ぐために考案した方法やけど、日本では15世紀に奈良ではすでに行われてたと記録されてる。

もう一つは、取り除くという方法やけど、濾過やね。

これは、限外濾過って言われる方法やけど、相当な設備がいる。

ここで難儀なんは、「火入れ」にしても「限外濾過」にしても品質確保のためにやるんやけど、それが逆に、風味を落としてしまうことになる、ということやねん。

生酒を売ろうとしたら、本当は「純生酒」で出荷したいところ、技術と妥協のせめぎ合いをするわけやね。

大手メーカーは限りなくリスクをゼロにするから、風味を犠牲にせざるを得んとこがある。

そこが、生酒を売りにしてる地酒の入り込む隙間になってることもある。地酒は特約店制をとってて、目の届く範囲にしか出荷せんからね。もちろん地酒メーカーも細心の注意を払ってる。

無濾過生で出荷してる酒は原酒が多いのは、アルコール度数を上げて、火落ちを防ごうとしてる側面もある。

ただ、お酒を仕事とする人の中でも、火落ちに対して無頓着な場合が多いねんな。

まして消費者の中には、普通お酒は傷まへんもんと考えてるわなあ。

これが、製造側からすれば悩みの種やねん。

酒販店等でタンクから量り売りをされる場合なんか、見てて胃痛なるわ。火落ち菌は一般家庭にはあんまりおらんけど、酒を扱うとこにはおると思うし。

もうほんま、ちゃんとお客さんにリスク説明してんのかなあ。事故起こらへんのたまたまちゃうの。

日本酒って繊細なもんやねん。

醸造する側のエゴかもしれんけど、日本酒は傷むもんやという意識をもっと持ってもらいたいねん。

ただ、この面倒なところが、焼酎とかの蒸留酒の後塵を拝することにつながっているかもしれん。

でも逆に、そういうところが、日本酒の魅力でもあることを、わかってもろたらうれしいなあ。


それから、一般に「新酒しぼりたて生原酒」として出荷されるお酒は、寒い冬の間に飲みきってしまうのが美味しいねんけど、うちで扱わせてもらってる「風の森」って言うお酒は、微生物管理が行き届いた「油長酒造」から年中出荷される「無濾過生原酒」やね。

確かに封を切らんかったら雑菌に冒されることは絶対ないけど、やっぱり生酒やという認識は忘れたらあかん。

販売させてもらってる者として蔵の品質管理に頼ってるばかりではあかんよね。

むやみに、何年も生のまま古酒にしたり、かってに小瓶に詰め替えたり、どうなんかなあ。

「美味しかったらええやん」っていうことやけど、お酒の変化の微妙なところは、やっぱり「きき酒」でしかわからんし、自分も鍛え直さんとえらそうに言えんわ。





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2014
05.09

20回目 日本酒のグラス

Category: BAR
DSC00678-2.jpg
(右から3番目が大吟醸グラスで4番目がコニャックグラス)



バーって日常と違う空間でありたいよね。

グラスにもこだわりがあるよね。バーによって。

「蔵のきき酒室」はまだまだやけど、いろいろ考えることもあるわ。

このごろ、日本酒をワイングラスでって、はやってるみたいやね。

なんかひっかかるんねんな。

何かわからんけど。



何で日本酒がワイングラスなん?

ある意味わかるよ、香りがよくわかるから。


吟醸酒は最近の日本酒の主流やし、世界にアピールするためにはワイングラスはもってこいやと思うけど。

なんかひっかるねんな。

リーデル製の大吟醸グラスが世に出てから久しいけど、それを使ってるんやったら日本酒グラスやろし。

うちのバーでも使ってるけど、それでもどうも違うねんな。なんか。ようわからんけど。


日本酒にもいろんなタイプがあるわな。

ワイングラスにぴったりなんは、きどった大吟醸酒のようやけど、最高の日本酒がワインのグラスに入れられるのはどうなん?

大吟醸が最高の日本酒とは限らんけど。


ほんだら、「おまえはどんなグラスでサービスするねん」ってなるわなあ。

本来、何でもぴったりなんが「お酒(日本酒)」って思ってるから始末が悪いねんな。

その時の感覚で選んでるねんけど、もちろんワイン用のグラスも使ってる。

なんか抵抗あるけど。

スコッチ用のテイスティンググラスとかも使うけど、陶器や磁器なんかももちろん使う。

でも、日本で本来使われてきた酒器は、香りを重視してないねんあ。それでよかってんけど。

せやけど、今は、それだけでは芸ないのも認めざるをえんよな。

今度、ブランデー用のグラスをためしてみたんよ。裕次郎様のとはちょっと違うんやけど。

ちょっと小振りやねん。

これが自分のイメージとぴったりやねん。

ワイングラスをぐるぐるって感じやなくて、もっと繊細な感じ。

ワインより日本酒が繊細やっていうてるんやないで。

日本酒はワインより「か弱い」ねん。そんなことない?

大和撫子が外国の女性よりか弱いって言うたら怒られそうやけど。


やっぱりおまえも「ぐい飲み」と違うねんなって言われるけど。

もちろん、銚子に杯はあたりまえやけど。

なんか「ワイングラス」はいややし、「ぐい飲み」も万能やないねんな。

そこんとこの感覚は上手に書けへんわ。


そんな話おもしろいと思ってくれたら、バーに来て教えてほしいなあ、いろいろと・・・。






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2014
05.04

19回目 酒母

Category: 日本酒
moromi.jpg
(写真はうちの蔵で仕込んでた時の醪の発酵の様子)



16回で「菩提もと」の話を書いたけど、今回は「酒のもと=酒母」について書いてみるわ。

えらそうに酒母について書けるほど、酒造りわかってないけど、そのわかってないところを思うままにって感じで。

酒母は要するに、ねらった酵母を純粋に大量に育成したものをまず醸造して、それからの本番の仕込みが順調に進むようにするのが目的やと理解しといていいと思うねんけどね。

その酒母の育成手法は「菩提もと」の他、大きく分けて「生もと系酒母」と「速醸系酒母」があるわなあ。


その違いは、醸造に欠かすことの出来へん「乳酸」を、どのような手法で獲得するかというとこやけど、そこら辺の詳しいことは今日はおいといて、この「酒母」の種類の違いが完成したお酒にどんな影響を及ぼすかということやねんけど。

それがイマイチようわからんとこやねんな。


これを明確に答えることが出来たらすごいと思うわ。

日本酒マニアみたいな人は、ようわかったように言うてはることあるけど。


一般的には、「生もと系酒母」に区分される「生もと」と「山廃もと」はしっかりした味わいながら切れの良い酒を生み出すとされ、対する「速醸系酒母」は味わいが軽やかですっきりした酒になると思われてるのとちがうかなあ。どう?


ほんまにそうなん?

それは、「生もと系酒母」の酵母は「速醸系酒母」の酵母より、酒母育成の日数が長く手間のかかることから、より丈夫で強い酵母だけが淘汰され生き残っていると言われてることからやねんけど、そこのところがようわからんねんな。

例えば、山廃もとで仕込んだ醪は、酵母が発酵が終わるまで、元気さを保ってると言われてる。

一方で、速醸もとの酵母は、発酵の終わりごろになるとバテてきて、酵母が死に始めると言う人もいる。

これは「純米酒」と「アルコール添加酒」の違いにも同じことが言えて、

純米酒の完熟醪は、酵母の活動は弱まってても、最後までしっかり生きたまま、酒粕の方へ移るとされる。

一方のアルコール添加をした醪では、酵母は添加したアルコールで死んでしまって、死んだ酵母は、すぐに自己消化が始まって、いろんな成分が酵母の死骸からモロミの中に溶け出してくるらしい。

これがいわゆる「後切れを悪くする」とされる「雑味」酒に残ることになるという理屈やね。

分析するとアミノ酸の量多い酒になるということやねん。


せやけどほんまにそうなんかなあ。

自分で実際に飲んだ経験からは、前者は酸が多くてどっしりしてる印象やね。

それから、「切れが良い」っていう感覚がいまいちようわからんねん。

完成された「生もと系酒母純米酒」を飲んだことがないのかもしれんけど。

「菩提もと純米酒」にしても、酒母は正暦寺で造る一つの酒母を9の蔵が分けてそれぞれの蔵で仕込むんやけど、根底には同じような風味があるものの、かなり違ったお酒に仕上がってる。


つらつら書いてきたけど、酒母と完成したお酒の関係は教科書通りとはいかんのと違うかなあ。

誰かそのへんのとこ、ご教授願えんかなあ。きき酒しながら。

バーにサンプル持って遊びに来てくれへんかなあ。

自分で納得いかへんうちは、お客さんにしゃべっても嘘になるしなあ・・・。

ちゃんと教えてくれたらサービスするし。





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